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大阪都構想決戦へ 賛否両派が総力訴え、戦略練り直し - 日本経済新聞

街頭演説する松井一郎大阪市長(左)と吉村洋文大阪府知事(31日、大阪市中央区)

街頭演説する松井一郎大阪市長(左)と吉村洋文大阪府知事(31日、大阪市中央区)

大阪市を廃止して4つの特別区を設置する「大阪都構想」の住民投票の前日となった31日、賛成派、反対派はそれぞれ市内各地で有権者への訴えに総力を挙げた。報道各社の直近の世論調査では賛否が拮抗し、各党は最終盤に向けて戦略を練り直した。10年にわたって大阪を二分してきた都構想に市民が判断を下す。

「成長する大阪をつくろう。都構想完成まで政治家として腹をくくってやっていく」。大阪維新の会の吉村洋文代表代行(大阪府知事)は31日、休日に多くの家族連れらが訪れる天王寺公園(天王寺区)近くから街頭演説をスタートさせた。

維新は新型コロナウイルス感染防止のため、多くの聴衆が集まらないよう松井一郎代表(大阪市長)や吉村氏の街頭演説の事前告知を控えていたが、終盤の26日からSNS(交流サイト)などで発信を始めた。

方針転換の背景には反対派に追い上げられているとの危機感がある。日本経済新聞などが10月中旬に実施した電話世論調査では賛成40%、反対41%だった。6月時点では賛成が49%で反対を14ポイント上回っていた。

チラシも変化した。制度案の説明が中心だったが、新型コロナ対策で注目された吉村氏の写真を前面に打ち出すように。維新幹部は「吉村さんの発信力に期待したい」。

維新と同じく都構想に賛成する公明党は31日、市議らが市内全24区で街頭演説を実施。大阪府本部所属の国会議員を総動員し、マイクを握った北側一雄衆院議員は「今回の制度案は公明の主張で大きく改善された」と強調した。投開票日の1日も同様の街頭演説を展開する。

公明は2019年5月に反対から賛成に転じたが、直近の世論調査で支持者の賛否は割れている。市議らはこの1週間、支持者に集中的に電話し賛成を呼びかけている。

街頭演説する自民党の北野妙子大阪市議団幹事長(31日、大阪市)

街頭演説する自民党の北野妙子大阪市議団幹事長(31日、大阪市)

「大阪市を分割すれば必ずコストがかかり、住民サービスが下がる。損をするのは市民です」。都構想に反対する自民党の北野妙子大阪市議団幹事長らは各地の繁華街で演説に立った。

これまで自民は、都構想は15年間で約1300億円のコストがかかるとの独自試算を公表し、住民サービス低下などデメリットを強調してきた。これに加え、23日には府連のホームページに「大阪市を守った先の未来」と題した政策案を掲載した。政令指定都市のまま、ICT(情報通信技術)を活用して災害に強い街づくりなどを目指すとしている。

投開票日が迫ってから掲載した理由について、府連幹部は「テレビの討論会などで都構想に反対するなら対案を示せと求められることが増えた。考えを整理して示した」と話す。自民市議は「市を廃止しなくても大阪が成長できることを示したかった」と説明する。

共産党は「大阪市をよくする会」などの市民団体と連携し、15年の前回の住民投票で賛成多数だった地域や、世帯数が多い区での活動を強化。31日はJR大阪駅前で社会民主党や立憲民主党の国会議員、平松邦夫元大阪市長らと合同で演説し、山中智子大阪市議団団長が「正しい大阪をよみがえらせよう」と訴えた。

投開票日は投票所前で活動する予定で、同会の福井朗事務局長は「直前までどちらに投票するか迷っている人の票を獲得したい」と話した。

大阪市選挙管理委員会によると、住民投票の有権者は18歳以上の大阪市民約223万人だ。30日までの期日前投票・不在者投票は36万9027人(約16.5%)で、15年の住民投票の同時点と比べて約6万2千人多い。前回の投票率は66.83%だった。

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